「コーチング」の語源は「馬車」に由来し、「大事な人を目的地まで運ぶ」という意味で使われました。日本では、1994年ごろから「コーチング」の研究が行われています。
「コーチング」とは、すべての答えは相手が持っていることを前提に、相手の能力を最大限に引き出し、自発的な行動を促すコミュニケーションの技術です。
●人は一人ひとり違う●人は無限の可能性をもっている●すべての答えはその人の中にある●相手の「強み」に焦点をあてる●他の視点を提供する
●100%相手の味方でいる−というのが「コーチング」の基本的な考えです。
「コーチング」では、まずクライアントとの信頼関係を築き、空間を共有し、話し、聴き、理解し、関係を築くという、コミュニケーションの5段階を経た上でコーチングスキルを発揮しなければ、コーチングは機能しません。
特にコーチングスキルを伝える前提として、相手との信頼関係を築くことは必須。
そのためにコミュニケーションの5段階を確実に作り上げることが重要です。
「コーチング」には100以上のスキルがありますが、よく使うのは聴く、承認する、共感、指示する、沈黙、率直に伝える、明確化、結果を見せる、リクエストするといった技術。なかでも「コーチング」の最高の技術とされるのが「傾聴」です。
人間は話を聴かれていないと、孤立感を感じます。話を聴くときのマインドセットによって相手はことばも態度も変化します。コミュニケーションは相互作用なのです。
その他、コーチングスキルには効果的な質問、チャンクアップ・チャンクダウン、確認、提案、励まし、挑戦、フィードバックなどがあります。
「コーチング」による効果として、自分には、●自信がつき、前向きになる●自分の強みを活かした行動ができる●人生設計が明確になる
●目標を持って生き生きできる●「できない」が「できる」になる。家庭では、●子どもの気持ちがわかる●子育てに自信がもてる
●家庭内の人間関係が円滑になる。そして職場では、●職場内の人間関係が円滑になる●職員が自発的に行動する●職場内の雰囲気が活性化する
●状況対応能力・問題解決力が向上する●目標・ビジョンが明確になる、など。
「コーチング」は、今後、「ビジネス」「医療」「介護」「福祉」「子育て」「メンタルヘルス対策」など広範な分野でますます重要となるでしょう。
【NPO法人 岡山コーチ協会理事長 道明道弘】 ホームドクター・さんよう タウンナビ 山陽新聞より